『ソール』の基本構造と素材について|シューズの履き心地はコレで決まる

スニーカーで重視すべきポイントはなんでしょう?見た目?ブランド?もちろん、それらも重要です。

しかし、最も重視すべきは履き心地ではないでしょうか?

履き心地は、非常に主観的で絶対的な指標があるものではありません。ある靴が、誰かにとっては履き心地が良くても、誰かにとってはイマイチな可能性もあるのです。

しかし、履き心地を構成する要素を理解しておくと、靴の履き心地を体系的に評価できるようになります。

今回は、スニーカーの基本構造を解説した上で、さらにソールの基本構造とその特徴について解説していきます。

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スニーカーのはき心地は「ソール+アッパー」で決まる

スニーカーの基本構造は非常にシンプルです。

どんなスニーカーも靴底である「ソール」があり、そこに靴の上の部分である「アッパー」が乗る形で出来ています。

つまり、どんな靴も、「ソールの性能×アッパーの性能」が履き心地を決めているわけです。

ソールとアッパーはそれぞれ求められる機能が違います。それらを知り、自分なりの判断基準を持っておくことで、スニーカーの履き心地を客観的に評価できるようなります。

ソールに求められる機能

  • クッション力
  • グリップ力
  • 吸湿性性能
  • 防臭性能

路面と接地するソールは履き心地を左右する重要要素です。特に、クッション性の追求はスニーカーにおける最大の研究テーマとなっており、各社は自社の技術の粋を全てソールにつぎ込んでいます。

また、人間の汗腺が集中する足裏に接しており、多量の汗が染み込むため吸湿性能、防臭性能も欠かせません。

アッパーに求められる機能

  • ホールド力
  • 通気性能
  • 除湿性能
  • 防水性能

アッパーは歩行中、走行中の足を固定し、走行を安定させ靴ずれなどを防止する役割があります。

また、靴ずれのもう一つの大きな要因は「蒸れ」です。蒸れにより足の皮が弱い状態になったところに、摩擦が加わることで靴ずれが起きやすくなると言われています。そのため、アッパーには通気性、除湿性能が求められます。さらに、雨や雪からシューズ内部を守る防水性能も必要となります。

ソールの基本は「三重構造」

さて、今回は「ソール」に注目していきます。

スニーカーのソールは、大きく3つのパーツを組み合わせて作られています。それぞれに求められる機能や使われる素材、特徴があります。

①インソール

インソールとはいわゆる中敷きです。最も足と密接に接するパーツです。

市販シューズのインソールにはシューズと貼り合わされた一体型と、インソールだけを取り外せるセパレート型があります。

ハイテクシューズは、インソールの性能にもこだわっているため一体型を採用する場合が多いですが、アシックスのゲルシリーズなどはセパレートソールを採用しています。また、ローテクスニーカーでは薄いフラット型のインソールを採用したり、インソール自体が無い場合もあります。

高性能インソールには、EVAなどのウレタンフォーム(発泡素材)やスポンジ、αゲルなどのゲル素材、ソルボライトなどの人工筋肉素材が使われます。また、除湿性能を重視する場合には、特殊繊維のメッシュ素材が使われます。

インソールの機能

  • クッション性能
  • 防湿性能
  • 靴内の足の安定化
SORBO(ソルボ) ソルボライト J6JYA60605L ダークグレー L(26.5~27.5cm)

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②アウトソール

アウトソールとは、靴底のことです。路面に接する部分のため、確実に路面を捉えるグリップ性能のほか、靴を長持ちさせるための耐久性も求められます。

使われる素材は主にゴムラバーです。シューズに使用されるゴムは、天然ゴムもしくは合成ゴムが使用されますが、原価や加工のしやすさから合成ゴムが使われるケースが多くなっています。

近年では、クラシックスタイルを演出するために、天然ゴムベースの「ガムソール」が採用されるシューズもあります。ガムソールシューズは一般的に肌色をしていて、合成ゴム製のソールより柔軟性が高くグリップ性能が高い傾向があるため、体育館などで使用されるトレーニングシューズやバスケットシューズなどに採用されるケースが目立ちます。

アウトソールも近年改良が進み、わざと大きな切れ目が入っているものや、吸盤がついているもの、複数のパーツに分かれているもの、特殊な形状担っているものなど様々です。

アウトソールの機能

  • グリップ性能
  • 耐久性能

③ミッドソール

ミッドソールとは、アウトソールとミッドソールの中間にある、靴底の一部で、いわゆる「クッション」です。

主にクッション性能が求められるミッドソールは、最も各メーカー毎の個性が発揮され、開発競争が最も激しいパーツと言えます。

ナイキの「エア」や、アシックスの「ゲル」、ミズノの「ウェーブ」、プーマの「トライノミック」など、各社各様の独自仕様を開発し、しのぎを削っています。

ミッドソールは、クッション性能のほか、硬さの違う素材を複数組み合わせ、歩行・走行時のブレを少なくする機能も有しています。

ミッドソールの機能

  • クッション性能
  • 走行安定性能

【履き心地評価のポイント】ソール構造を理解して正しく評価しよう!

ソールの構造を理解すると、履き心地を評価する際のポイントが見えてきます。

履き心地の評価ポイント例

  • 高機能インソールが実装されているか?
  • インソールに実装されている機能は何か?
  • ミッドソールにはどんな素材が使用されているか?
  • ミッドソールの独自機能は何か?
  • アウトソールの素材は何か?
  • アウトソールはどのような構造になっているか?

自分なりの評価軸とポイントを見つけて、客観的に履き心地を評価できるようになると、スペック表を見れば大体の履き心地が想像できたり、他のスニーカーの履き心地と正確に比較できるようになりますよ!

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