レアスニーカーバブルの崩壊:金に群がる下品なブームはオワコンです

レアスニーカーバブルの崩壊:金に群がる下品なブームは終わりです
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レアスニーカーブームは、作られた熱狂か? 虚飾に踊らされ集金されるコレクターたち

近年、高騰を続けてきたレアスニーカー市場。限定モデルの発売時には、まるでパニック買いのような光景が繰り広げられます。しかし、この熱狂は本当に本物なのでしょうか?

作られた熱狂:メーカーの巧妙な戦略

メーカーは、SNSやインフルエンサーマーケティングを駆使し、限定モデルを次々とリリースすることで、消費者の購買意欲を巧みに煽っています。限定という言葉に踊らされ、あたかも貴重な宝物を手に入れたかのような高揚感を味わいたいという心理が、消費者を駆り立てているのです。

例えば、ナイキは、エアジョーダンシリーズやダンクシリーズなど、数々の伝説的なモデルを生み出し、スニーカー文化を牽引してきました。これらのモデルは、限定カラーやコラボレーションモデルとして繰り返し発売され、毎回大きな話題を集めています。

しかし、近年の限定モデルの乱発には、メーカーによる信者ビジネス戦略が存在していることは否めません。

このような限定モデルの発売は、いわば「集金装置」のようなもので、消費者はブランドへの忠誠心、あるいは信仰心を満たすために、高額な商品を購入しているのです。それが健全な消費であるというのは、いささか無理のある光景であると言わざるを得ません。

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スニーカーバブル崩壊の兆候:不都合な真実

スニーカーバブル崩壊の兆候:不都合な真実

では、このレアスニーカーブームは、いつまでも続くのでしょうか?実は、市場にはすでにバブル崩壊の兆候が見え始めています。

スニーカーダンクにおける取引価格の値崩れ

国内最大級のスニーカーマーケットプレイスであるスニーカーダンク。一時期はテレビCMも頻繁に出稿し勢いをつけていましたが、ここ最近は往時の勢いはないと言わざるを得ません。

それを表すように、スニーカーダンク内のスニーカーの価格はここ最近「値崩れ」と言っていいほど下がってきているのが、よく見ていた人ほど感じていると思います。SNSなどでもそのような投稿は枚挙にいとまがありません。

スニーカーダンクは販売金額に応じた手数料収入が収益源ですから、値崩れはすなわち売り上げの減少にも直結する大問題です。

ナイキの業績失速

また、メーカーに目を向けるとナイキも、急速に市場での存在感を失いつつあります。

2024年10月1日に発表した2025年度第1四半期の決算で、売上高が前年同期比10%減少し、全体的な業績は期待を大きく下回る結果となりました。

ナイキ「オワコン化」の足音 株価急落、新興シューズメーカーが影

その要因は、近年限定商法で煽るように売り上げを上げてきていたものの、物価高騰などのあおりを受け、以前のように売り上げが作れなくなったこと。そして、他メーカーへの流出などが上げられます。

これまでスニーカーメーカーとしては注目されていなかった、サロモンノースフェイスなどアウトドア勢の台頭。ONホカオネオネなどに代表される新鋭メーカーの台頭などによりシェアが取れなくなっている状況がうかがえます。

これらのデータは、レアスニーカー市場が飽和状態に近づいていることを示唆しています。

スニーカーバブル崩壊の要因:幻想と現実のギャップ

スニーカーバブル崩壊の要因:幻想と現実のギャップ

なぜ、レアスニーカー市場は失速・バブル崩壊したのでしょうか?その要因は様々ですが、以下の点が挙げられます。

  • インフルエンサーの飽き: SNSで流行を作り出すインフルエンサーたちも、次々と新しいトレンドを追いかけるようになり、特定のスニーカーに固執しなくなった。また、数字を取るためにナイキだけを追いかけるのではなく、常に新しいものを発見し差別化を図るようになった。
  • 経済状況の悪化: 世界的なインフレや景気後退の影響で、消費者の財布の紐が固くなった。
  • 偽物問題の深刻化: 偽物の流通が横行し、本物の価値が曖昧になった。
  • 飽和状態: 限定商品の乱発により市場に限定品が溢れ、希少性という価値が薄れてしまい、消費者の興味も薄れていった。
  • マーケティング戦略の変化: メーカー側も、過度な限定モデルの発売を控え、よりサステナブルな取り組みや、ブランドイメージは残しつつ、より普遍的なデザインの追求へとシフトしつつある。

バブル崩壊後の未来:レアスニーカー市場の行方

レアスニーカー市場は、かつての輝きを失い、新たな局面を迎えています。しかし、全く終わりの見えない状況ではありません。

  • ニッチな市場への転換: 一部の熱狂的なコレクターを中心とした、よりニッチな市場へと転換していく可能性があります。ヴィンテージスニーカーや、特定のブランドに特化したコレクターなどがその例です。
  • デジタル資産との融合: NFT(非代替トークン)との連携など、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルが誕生する可能性も考えられます。デジタルスニーカーの概念は、すでに一部で実現されており、今後の市場を大きく変える可能性を秘めています。

いずれにしろ、レアだ、限定だというだけで大金が舞う状況は終わり、一部のマニアのための市場に形を変えていくと思われます。

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まとめ:今、夢から覚める時

レアスニーカーバブルは、ひとつの時代の終わりを告げていると言えるでしょう。かつて、高額なスニーカーを手に入れることがステータスだった時代は、もう終わろうとしています。

スニーカーを購入する際は、まずは冷静に考えてみましょう。本当にそのスニーカーが必要なのか、それともブランドや希少性といったものに踊らされているだけなのか。一時的な流行に振り回されることなく、自分にとって本当に価値のあるものを選びましょう。

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