
スニーカー業界では新しい波が到来しようとしています。
それは、アスリート向けシューズの波です。
プロ仕様の高機能シューズがファッションアイテムとして取り入れられ、大ブームを巻き起こす日もそう遠くない。そんな流れが始まっています。
その傾向を裏付ける要因が「3つ」ありますので、今回は、その要因をひとつずつ解説していましょう。
目次
①カジュアルとアスリート向けの差がなくなってきた

陸上界ではレースの高速化しています。
それに伴い、選手が着用するランニングシューズの開発も加速度的に進み、アスリート仕様に先鋭化していきました。
その中で一時期はデザイン云々より兎にも角にも走行性能が重視される傾向がありました。軽量性と通気性を重視するとメッシュの面積が多くなり、デザイン上の制約が大きくなるため、アスリート用はアスリート用、カジュアル向けはカジュアル向けで別々に作らざるを得なかったのです。
しかし、近年、長年の素材開発の成果により画期的な新素材が次々と登場し、性能とデザイン自由度を両立することが可能になってきました。
その最たる例が「ニット素材」です。
フィット感と軽量性というレース仕様に必要な要素とデザインの自由度を高い水準で両立したこの素材の登場が急速にプロ仕様とカジュアル用途の壁を取り払ったと考えられます。
②ワンポイントアイテムとして派手なスニーカーへのニーズが高まる

ここ数年の80年代、90年代スニーカーのリバイバルブームをきっかけとして、スニーカーのすそ野が大きく広がりました。
そして、その後の働き方改革の一環で巻き起こったワークウェアのカジュアル化や、アメリカで巻き起こった「ノームコア」の後押しもあり、飾らないベーシックなスニーカーが流行。
その一方で、「タッキー」や「ダッドスニーカー」など「ノームコア」の反動ともいえる、派手目のスニーカーを求める声も高まっています。
そして、ベーシックさと派手さのちょうど良いバランスにあるのがランニングシューズです。
軽さやフィット感を追い求め、シンプルに振り切ったアッパー。そして、路上でのアピール性抜群のカラーリング。そのバランスが次のヒットのにおいを醸し出します。
③プロ仕様シューズの厚底化により町履き性能がアップ

先日、大迫傑選手によって更新されたマラソンの日本記録。その際、記録とともに注目されたのが大迫選手が着用したレーシングシューズでした。
それまでスタンダードとされていたレーシングシューズは薄底が当たり前でした。
しかし、日本記録を更新したレースで大迫選手は厚底モデルを着用したのです。
それは、マラソン界の新常識であるとともに、ファッションの観点から言っても一つの重要な出来事です。
プロ仕様シューズが普段履きに使えない一番の大きな理由が、アウトソールの耐久性能と歩き疲れ問題でした。それが厚底化によって一気に解消されたわけですから、もはやレース用とカジュアルの差はほぼなくなったといっていいでしょう。
プロ仕様ランニングシューズモデルが来ます!
さて、いかがでしたでしょうか?
最近の流行の流れ。製造技術・素材の進歩。デザインの多様化など様々な要因から考えて、プロ仕様ランニングシューズがどんどんおしゃれになっていき、カジュアルシューズとの境目がなくなっていくと思います。
ぜひ、一足本格ランニングシューズを手に取ってみてはいかがでしょうか?