ダッドシューズとは何だったのか|ダサさと紙一重の代表的シューズを解説

近年のスニーカー界で最も注目されているキーワード。それが、「ダッドシューズ」「ダッドスニーカー」です。今回は、もはや知ったかぶりはできないこの言葉について、詳しく解説していきます。

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ダッドスニーカーとはどんなシューズ?

ダッドシューズとは「お父さんが選ぶようなダサいスニーカー」という意味で、一周回ってカッコいいという種類の言葉です。海外でも「Daddy shoes」「Dad Sneakers」と呼ばれています。

具体的に言うと、スーパーで三千円くらいで売ってそうな多色づかいのが特徴な無駄にスポーティなデザインで、基本的には白をベースカラーに差し色で1〜3色が入っているイメージです。一見、ハイテクスニーカーのようなにも見えるぽってりとしたシルエットも特徴です。

日本で言うと、都心のおしゃれなおじさんというより、「競艇場にいるおじさん」が履いているイメージに近いかもしれません。

それが最近では、上で書いた文法は踏襲しながらも、素材を高級な本革などに変更して高級感を出したり、ソールを多色にしてアッパーはやや控えめにしたりと、おじさんがスーパーで「適当に」選んだ感じではなく、ファッションアイテムとしてしっかりとデザインされたシューズに仕上がっているのも特徴です。

なぜ今ダッドスニーカーなのか?

[chen-bei-jing-feng-mei-tian-he-ke-ji-you-xian-gong] ファッショナブルなユニセックス軽量スニーカーランニングシューズ

ダッドシューズが流行した理由の一つには、ノームコアからタッキーへ移行し、少し行き過ぎた所からの揺り戻しの流れを汲んでいると考えられます。

要するに、ノームコアのようにシンプルすぎると面白くないが、タッキーまでは踏み切れないと言う人が、「地味だけどセンス次第で自己主張できる」というデザインが好まれるようになったと言えます。あえてダサいシューズを華麗に履きこなすことでセンスをアピールする狙いがあります。

そして、上着やパンツに差し色をすると主張し過ぎてしまうのであえてそちらは地味にまとめ、シューズだけを外すコーディネイトにしたり、逆にカラフルなファッションに取り合わせて全体を調和させるなど、「あえて」でセンスを表現できるのが若者を中心に好まれました。

ダッドスニーカーのおすすめブランド、モデル解説

では各メーカーがリリースしているダッドシューズを見ていきましょう。

アディダス「YEEZY RUNNER 700」

ADIDAS - アディダス - YEEZY BOOST 700 'WAVE RUNNER' - B75571 - SIZE 9 (メンズ)

カニエウエストがプロデュースする「YEEZY」シリーズから「YEEZY RUNNER 700」です。まさにダッドシューズの流れを作り上げたといえる一足です。ぽってりとしたシルエットと、縫い目の目立つコンビネーションアッパー、多色づかいとおじさんシューズの文法でありながら、なぜかカッコいいセンスが光ります。

ナイキ「エアモナーク」

ナイキからはエアモナークをピックアップ。ナイキらしからぬダサいモデルです笑。機能的な見た目と合成皮革というまさにダッドシューズの文法そのもの。しかし、エアシリーズのエアソールが搭載されており履き心地や機能性はナイキナイズされています。

フィラ「Ray(レイ)」

[フィラ] RAY WHITE/NAVY f5054-1163-fba 28.0(10) US

ダッドシューズのメーカーで忘れてはならないのは「フィラ(FILA)」です。一時は「サミットの靴売り場」のイメージでしたが、近年、原宿を中心に急速にブランド力を回復してきいます。

そのきっかけはダッドシューズブームであることは間違いありません。手に入りやすい価格とよく見ればダサいだけではないセンスに、韓国を中心としたブランドマネジメントが噛み合い若者のマストアイテムになりつつあります。

プーマ「サンダースペクトラ」

[プーマ] スニーカー ダッドスニーカー ダッドシューズ 黒 THUNDER SPECTRA サンダー スぺクトラ スペクトル 367516-01

寸胴・厚底・ボリューミー・多色づかいというまさにダッドシューズの大本命です。光沢のあるレザーとメッシュを組み合わせたアッパーの何とも言えない垢抜けなさが上級者を感じさせます。

世界的デザイナーのアレクサンダー・マックイーンとのコラボで生まれた最新のモードです。

リーボック「DMSシリーズ1200」

[リーボック] メンズ ランニングシューズ スニーカー DMX シリーズ 1200 カジュアル トラベル ストリート ウォーキング DMX SERIES 1200 CN7590 ホワイト/ブラック/ネオンレッド/ミネラルミスト 26.5cm

リーボックらしい優しいはき心地を実現させる肉厚な「DMSエアテクノロジーソール」にダッドシューズらしいゴテゴテ感のあるアッパーを合わせた、見た目は野暮だが機能は最高という一足。お値段も手頃なので、ダッドシューズデビューに最適。

ダンロップ「エアロジャンプ612」

[ダンロップ] スニーカー エアロジャンプ612 メンズ ブラック 26.5 cm 3E

ダサいシューズ=ダンロップのイメージを根底から覆す、野心的かつ先進的デザインを採用したスニーカー。アッパーには流行のニット、そしてエアソールを搭載と、機能面の充実感も半端じゃありません。

それが、三千円ちょっとで手に入ってしまうんですから、価格破壊もいいところです。ちなみに、ダッドシューズ界隈ではダンロップを履きこなすおしゃれさんのことを「ロッパー」と呼び、尊敬を集める対象になっているそうですよ。

スポルディング「ダイアプレックス」

[スポルディング] ウォーキングシューズ OIN 1460 メンズ ブラック 24.5 cm 4E

ダンロップと並ぶダッドシューズの双璧。スポルディングのイケてるモデルです。

もうダサいとは言わせないという気合を感じさせる形状と圧倒的な防水性能。そのくせお値段は超がつくほどの控えめという本当に素晴らしいプロダクトだと思います。

ムーンスター 「SPLT M150」

[ムーンスター] スニーカー 防水 抗菌防臭 耐摩耗ソール 4E メンズ SPLT M150 インディゴ 26.5cm

日本が誇るダッドシューズ業界の星。ムーンスターの代表的モデルSPLTです。ムーンスターが市販シューズにおいてこだわる、防水性能に加え、抗菌、防臭、耐摩耗性能もプラスした、見た目に反してハイテクなスニーカーに仕上がっています。

ダッドシューズのコーディネイト例

さて、ここで世界のおしゃれさん達がダッドシューズをどのように取り入れているかを見ていきましょう。

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